【やまメモ】丹沢の塔ノ岳にはじめて登ってみた (2026/03/21)
南関東に引っ越してきてしばらく経つのだが、前々から行こうと思っていた神奈川の塔ノ岳に登ってきた。巷で有名な大倉尾根というコースで自分の体力を確かめてみようと思っていた。
中高生の期間は運動部でもなく、大学はコロナ禍に巻き込まれ、まともな運動経験はない。嫌々でも体を動かしていたそれが気づいたら山に登る種族に変貌していた。とは言えよくイメージされる「登山家!」のようなことはしない。高いの怖いしすぐバテるし。へなちょこでごわす。
大倉尾根コースは累積で1300m近く登る。これまでの自分の山登りの中では最上位クラス。しかもそのクラスはほとんど縦走でのことだったので、ピストンでこのレベルは今までになかったと思う。ということもありなかなか行く勇気が出なかった。本当は山友と行きたかったがタイミングが合わずソロで挑むことに。
やまメモ
山のプロフィール
■塔ノ岳(けいそくさん) 標高1491m 神奈川県秦野市・愛甲郡清川村・足柄上郡山北町
今回のルートと体感難易度
■ルート
秦野戸川水無川駐車場 ー 大倉登山口 ー 見晴茶屋
ー 駒止茶屋 ー 堀山の家(跡) ー 花立山荘 ー 塔ノ岳
いわゆる王道ルート。
全行程15.2km のぼり1347m / くだり1347m ※YAMAP参照
■体感難易度
体力度:★★★★★★☆☆☆☆ (6 / 10) きつい
技術度:★★☆☆☆☆☆☆☆☆ (2 / 10) ゆるふわ

まずは自宅から秦野の登山口まで車で向かう。首都高と東名を走り抜けるのだが、東名の渋滞に巻き込まれ、駐車場に到着する頃には10:00前になっていた。分かる人には分かると思うが、東名の渋滞に巻き込まれる時点で出発が遅いのである。とは言え今の自宅に引っ越してから丹沢方面に来たことがなく、その感覚がまるでなかった。北関東に住んでいた頃の快適さが恋しくなる。

初めての挑戦なので、往復7時間くらいは見ておくかと思っていたが10:00スタートだと下山は17:00くらい。まあ人の多そうなコースだし日没前ではあるので、なんとか戻ってこられるだろうと判断し予定を決行した。
◆大倉登山口〜見晴茶屋
この区間は木漏れ日が心地よい森の中をつづら折り気味に登っていく。緩すぎずきつすぎずちょうどいいくらいの道だ。スタートが遅れたとは言え、焦って飛ばすとロクなことがないので意識的にややゆっくりくらいのペースで進んだ。
登山口から30分ほどで見晴茶屋に到着。山小屋のある山域に来たのは久しぶりだなとか思いながら、小屋の向かい側の景色を見ると、ここで初めて眺望が開けていた。

景色がドカーン!!!という感じではないが、下界があんな遠くにあると、山に来たなあとしみじみさせられる。初春で景色はかなり霞んでいたのが心残り。また来ればいいか。
◆見晴茶屋〜駒止茶屋
メンタル的にはこの区間が一番きつかった。茶屋を過ぎると突如出現する急な階段。噂に聞いていたがこれかあ!となる。山での階段はあまり好きではない。土がえぐれて訳わからん段差になっていたり、一定の高低差じゃなかったり。まだまだ先は長いので年老いたおじいさんになったつもりで、ノコノコと登る。つらいので写真は撮り忘れた。
しばらく格闘すると平坦になって一安心。これがあるかないかで全然違う。一気に若返ってルンルンで進む。
しかし駒止茶屋前でまたあの階段が出現。一気に加齢が進みヨボヨボのおじいさんになってしまった。それでもつらいので茶屋に到着すると同時に羊羹でエネルギー補給。

ここで地図を見ると、まだ標高は900mにも満たないと分かる。「あれ、塔ノ岳って1500mくらいあるよな、まだ600登るのか?あの階段を?」
現在地と山頂までの道のりを考えて憂鬱になり一瞬帰りそうになったが、こんなところで撤退したくない精神で先に進む。
◆駒止茶屋〜堀山の家
ここが比較的楽だった。先ほどの疲れを回復できる程度の道でだいぶ救われた。こういうときは水平距離が稼げてなんとなく気分がいい。山で見かけるあと〇〇kmの看板とかって山頂までの直線距離なのかしら。だとしたら高低差も含まれていることになる。あーだこーだ考えたところで何も嬉しみはないので思考回路はシャットダウンした。
◆堀山の家〜花立山荘
きつい。つらい。帰りたい。いつまで続くのこの階段。しかもなんか段差もデカい。遮るものがなく日射がバチクソ当たる。夏に来てたらドロドロに溶けてスライムになるレベル。
ただ不思議とメンタル的にはそこまでつらくはなかった。景色が開けて気持ちがいいし、何より虚無モードを習得したので、それが大きかった。迷う要素もなさそうなので地図は見ない。行く先も見ない。ひたすら無心で脚だけを動かす。その辺のよく分からん低山で同じことしたら帰らぬ人になってると思う。
そんなこんなで花立山荘に到着。

さすがに疲れたのでここで再び小休憩。標高はだいぶ上がって1300mくらい。あと200m登ればいいと考えると、心にのしかかっていた重圧からも解放された。しかもゴールらしき山頂もチラ見えしている。オラわくわくしてきたぞ、と言わんばかりに
疲労 < WAKUWAKU の形態変化を全身で感じられた。山荘の美味しそうなご飯メニューも気になるが、昼食は持参していたので今回はスルー。

◆花立山荘〜塔ノ岳
ここからは楽しい稜線歩き。ルンルンで歩いていたのできつさも感じない。勝利のビクトリーロードが目の前に続いている。ルンルンすぎてどんどん先行者に追いついていく。
そして山頂に…
ついたぞおおおおおおお

いや、人多っ!
どこもかしこも人だらけ。どこからこんな湧いてきたんだ。とは言えみんなあの階段地獄を味わっているのだと思うと謎の親近感で心が満たされる。そしてこれくらいの人数余裕ッスよ、というレベルに腰かける場所がある。山頂ってだいたい場所取り合戦なのに、こんな遅着の自分でも迎え入れてくれた。ありがとう塔ノ岳。
せっかく初登頂なので山頂標の写真を撮っていたのだが、そこで若いお兄さんズ3人が爽やかに「写真撮ってくれませんか?」と声をかけてきた。稀によくあるイベントのため快諾して何枚か撮影した。角度に気をつければ富士山も画角に入る。撮り終えると、「よければ撮りましょうか?」と。
これはレアイベント発生だ。体感的にはお互いが複数人のときはよく起きる現象なのだが、ソロのときには発生率が高くない。お兄さんたちのあたたかい視線に浄化されながら、山頂標とともに撮ってもらった。
山頂でおにぎり×2と豚汁、サラダチキンを貪った。どちらかというと麺より米派なので、これらが一軍ラインナップである。目の前の景色に惚れ惚れしながら黙々と食む。

さて、残りは同じ道を帰るだけ。さらに先には丹沢山や蛭ヶ岳が続いており、1日で往復してくるサイボーグもいるらしいが、今の自分には体力も時間も足りない。おとなしく下山する。

下山は体力というより、脚をいかに温存するかという技術力を求められている気がする。特に膝や足先など。以前はよく下りのときに靴擦れで難儀していたが、ローカットのシューズにしてから見事に改善された。もう絆創膏を毎回貼っておかなくていいのね。
下山も虚無モードを継続していると、いつの間にか下界に戻ってきた。このときの安心感と喪失感は登山のとき顕著に感じる。そうして次の山を考えるのである。たぶん危ない脳内麻薬がドバドバ出ている。

帰路では温泉に浸かり、うまそうな肉を食うのがルーティンとなっている。これでノルマは達成。そうして週末の1日を終える。昔の引きこもりゲーマーだった自分に伝えても、きっと信じてもらえないだろう。

後ろの車、そんな見つめないで

なお、しっかりと東名の高速に巻き込まれ、再訪を躊躇せずにはいられない結果となった。なんやねんあの渋滞。
勝手に周囲のドライバーに「まさか塔ノ岳に登ってきたやつはいまい、我のために道を譲りたまえ。ホワァァァァァァァ」という邪念をばら撒きながら帰宅した。
次はもっと早起きしよう。
